全国農業協同組合連合会福島県本部インタビュー

美米蔵所長 仲村哲也 氏

――御社の事業についてお教えください。

 全国農業協同組合連合会は農業における経済事業(販売・購買)を担っており、農産物の販売や生産資材の供給などの事業を主におこないます。会員であるJAと協力し、競争力ある経済事業活動を展開するなかで組合員の農業所得の増大や農業生産力の拡大を支援していくこと、さらには活動を通じて国民のみなさまへ安全で安定した食料供給を果たすことが役割として求められています。東日本大震災後さまざまな逆風に晒されている福島県だからこそ、安全にこだわったおいしい農畜産物をお届けできるようにさまざまな取り組みを行っております。

――どのように会津美里町工業団地の情報を知りましたか?

 当時の「旧JA会津みどり」より適地としてご紹介をいただきました。当JAはご存じのとおり平成28年3月1日に4つのJAが合併して、現在は「JA会津よつば」として会津全域を網羅するJAとなっております。JAの所有する米倉庫の老朽化が進んでいること、常温保管では収穫から出荷までの間にも低減する品質を維持するため、集中管理できる低温管理の米倉庫の要望が高まっておりました。会津広域連合集出荷施設「美米蔵(うまいぞう)」の新築にあたっては、会津全域の米が集まる物流の中心となるため、できるだけ会津全域の“へそ”となる場所に建築したいと考えておりました。

――会津美里町工業団地を選択された決め手を教えてください。

 当施設は天候に左右されないよう設計した屋内型トラックレーンで低温倉庫に直接トラックを横付けしての積み出しが可能です。東北でも2番目に大きい米倉庫ということで、まずは広さの確保が優先でした。さらに、高速道路を用いての速やかな出荷を考えますと、新鶴S.I.C.から10分というアクセスの良さも重要視できると判断いたしました。加えていえば、地元でも信頼ある老舗の事業体がすでに所在されているということも決め手となり、安心してこちらに決定することができました。

――町からのサポートはどのようなものがありましたか?

 立地にあたっては町の企業立地優遇制度を利用できたのは大きいと思います。保管倉庫ということもあり地盤の強度も気になるところでしたが、調査報告書を提出いただけたことも安心材料です。
 もちろん売りっぱなしではないことも大切で、街灯や共用道の草刈り・除雪など施設維持にあたっては、町で管理されており、要望があれば工業団地の企業組合を通し町に届けられるようです。また聞くところによると、町からは国の補助金活用のご提案などもあるようですね。

――会津美里町工業団地への立地の結果、いかがですか?

 非常に自然豊かな場所にあり、周囲が田んぼのため「米どころ」らしい地に施設を持つことができ嬉しいですね。倉庫に出荷のトラックが並ぶ繁忙期は12月ですが、倉庫を一巡できるトラックレーンを一方通行にして、例年60㎝にはなる積雪のなかでもスムーズに出荷できるのが自慢です。治安も良く、巡視のパトロール車もみかけるので安心できますね。

企業基本データ
・社名:全国農業協同組合連合会福島県本部[会津美米蔵]
・本社所在地:福島市飯坂町平野字三枚長1-1
・企業所在地:大沼郡会津美里町字宮里95
・電話:0242-23-4190
・業種:農業倉庫
・操業年月日:平成28年9月