有限会社湯島運輸インタビュー
――どうやって会津美里町工業団地の情報をお知りになりましたか？
板金屋にトラックの修理を頼んでいたのですが、修理状況を見に行ったときにそこの社長から会津美里町の高田工業団地を紹介されたんです。元々、業務を効率よく進めていくために交通の便の良い土地がほしいと思っていたので、すぐに見に行きました。実際に見てみると新潟方面にも若松方面にもアクセスしやすく、ここを拠点にして配達すればかなり効率が良くなるなと思い、購入を決めました。
――他の工業団地との比較はされましたか？
新鶴インターの近くに候補地があったのですが、そこは造成がされていない更地の状態で、単価は高田工業団地の倍以上だったんです。そこに入るかどうかを考えていたときに、ちょうど板金屋の社長からここの団地を紹介されました。そこで両者を比較して、ここのほうが安いし土地の状態も良いし、新鶴インターにも近いということで最終的にはこちらに決めました。正直、私の場合はタイミングも良かったんだと思いますね。トラックの修理がなければ別の場所に決定していたかもしれないわけですから（笑）。
――この工業団地に移転することになった、一番の決め手は何ですか？
元々、配送の効率を上げるために芦の牧から新潟方面へ向かうライン上の土地を探していたんです。そんな状況で、ちょうどそのライン上にここの団地があって、他の工業団地と比べても単価が安いし、広いスペースを確保できるということでここに決定したんです。一番の決め手は、やはり前々から求めていた場所に近かったから、という点ですね。本当にタイミングよく見つかりました。
――それ以外に決め手となった、あるいは魅力だった点はありますか？
近くに新鶴インターがあったという点ですね。うちは運送業ですので、その点はかなり重要です。一般道だと込み具合によって配送にかかる時間が左右されてしまいますが、高速に乗ってしまえばどのくらいの時間がかかるか分かりますから。
また、こちらに移ってきてから感じたのは、会津美里町は会津の中心に近いのかなということです。ここを起点にすると、南会津、北会津、西会津とあらゆる方向に配送しやすくなります。
福島県全体で見れば会津地区はいわば僻地ですから、大手の業者さんは配送したがらないんですね。そういう荷物をここまで持ってきてもらって、あとは私たちが会津地区全体に配送していく。そういったビジネスの流れを作るうえで、ここは絶好の場所なんです。
――町からのサポートや、融通を利かせてもらったりした部分はありましたか？
トラックや建物は安いのですぐに手に入りますが、土地は高いのでなかなか買えないんですよ。そこで町長さんに、「空いてる土地があって、今のところ買い手がいない場所があるのなら貸してください」と相談したんです。業績が上がればその土地も買いますよ、という条件で。ゆくゆく購入するのであればということで土地を貸してもらい、最終的には毎年少しづつ土地代を払って分割購入という形にできました。
こちらから提案したことで、町のほうでそのように動いてもらったので助かりました。提案しなかったら、土地の費用が経営を圧迫していたでしょう。行政に相談に乗ってもらいながら事業を展開していけるというのはとてもありがたいです。
――移転するにあたって、不安だったことをお聞かせください。
不安というのは全然なかったですね。不安どころか、実際入ってみるとかなりやりやすいです。立地的にもあんまりにぎやかで目立つ場所というわけではないですから、仕事に集中できます。
――移転に伴って発生した問題や、当初の予想と違っていたことなどはありますか？
特に問題もなく、当初の予想通りにうまくいっています。予想と違っていたことといえば、人の雇用がしやすかった点でしょうか。本社のある田島では、従業員を確保するのが難しかったんです。トラックも置く場所がなかったので従業員の自宅に持ち帰って停めてもらっていました。今は会津美里で従業員を確保できるし、トラックもここに集約できるので非常にやりやすいです。予想が良い方向に外れましたね。
――移転したことによって、どんな結果、あるいは成果が出ましたか？
効率も業績も、明らかに上がりましたね。ここに入らずに、田島にある本社だけで運営していたらおそらく潰れていました（笑）。やっぱり、田島よりは断然会津美里のほうが良いです。高速が近くて場所も良いので無駄な経費を使わずに済むし、何より仕事とお客さんの集まり具合が違います。
ゆくゆくはもっと土地を買って、ここを本社というか、中心にしていきたいですね。
企業基本データ
・社名：有限会社湯島運輸
・本社所在地：大沼郡会津美里町字宮里9-3番地
・企業所在地：南会津町田部字下原205-9
・電話：0242-55-1755
・業種：貨物自動車運送業
・操業年月日：平成11年10月1日
